Thriller tonight, -Flasher as Dancer-

と言うわけでMr.Pops或いはKing of Popsことマイケル・ジャクソンの伝説的作品、「スリラー」でフロアを沸かせることとなった。客観的に見てこの企画そのものがスリラーである。


なんとか踊らずに盛り上げられないかと知恵を絞った結果、オリジナルのスリラーではなくBossa novaカヴァーのスリラーを発見、それをBGMにプロモーションビデオ的なショートフィルムを作った。新婦の友人達(自分を含む)を集めてBossaのリズムでテキトーに歌って踊らせ撮影、そして編集。

こいつの出来は良かった。結婚式は基本的にアウェイではなくホームなのでそこそこ笑いはとれる自信はあった。

そして当日はショートフィルム上映後にBossaのリズムに合わせ5,6名が前でゆるーく踊って歌えば、そこそこ周りも合わせてくれるだろうという段取りとなった。

しかし前日、一回限りの練習兼打ち合わせで他のダンサー達からの猛反発を喰らう。

僕      「と、いうわけで踊らなくて歌うことにしたから」
ダンサーA 「え!踊らへんの?」
ダンサーB 「萎えるわ...お前それでええんか?」
ダンサーC 「ビデオで見た内容と被るやん」
ダンサーD 「こんな英語の歌詞覚えられへんし」
ダンサーE 「踊るしかないやろ。腹くくれや」

彼らの説得に折れ、結婚式前夜、徹夜でスリラーの練習を敢行。しかもミッドテンポなBossaじゃあなく、オリジナルのハイテンポなPopsでだ。流石にフルセットは踊れないのでワンコーラスに絞る。更にオリジナルを丹念にチェックしてオイシイ振り付けを厳選して落とし込む。

この時点でFlashの事はもう忘れていた。今になって思うと、Flashを使う以上はこのダンスと絡めた企画じゃないと意味をなさないだろう。そして、機材上、ダンサーがステージに立つとプロジェクターの光が遮られスクリーンは見えない。スクリーン背面から投影可能な機材があるレストランなんてないだろう。ダンサーにGainer....っていってもこれまた何をネタにすればいいのかも分からん。生体モニターみたいなのと連動してみるとか。新郎、新婦の心拍数をパラメーターにしてビジュアライズするとか。ウソ発見器的なFlashアプリを作って「新郎の浮気について...」とか下世話な質問してみるとか。

話がそれたが、練習開始から5時間、とにかく踊って呑んで騒いで夜が明け、心地よい疲労感と共に帰宅し泥のように眠った。

そして本番。

司会のアナウンスと同時にショートフィルム上映。Bossaに併せてスクリーンが揺れる。ヨーロピアン、バカ受け。日本人、失笑、苦笑。そして爆笑。徐々に会場が暖まる。そしてフェードアウトと同時にダンサーが一斉入場。エンドロールと同時にオリジナルのスリラーが始まる。ダンサー、一斉に踊る。かつて無い集中力で6人ばっちりシンクロ。

最後の決めポーズまで寸分の狂い無くキマる。

会場、大歓声。

しかしこれで終わりではない。問題はここから。とりあえず新郎をフロアに連れてきて踊る。なぜかカントリースタイル。もちろん新婦も連れてきて踊る。気づけば手拍子が始まっている。新郎の家族も加わる。さすがヨーロピアン。日本人は徐々に上がってきてはいるものの未だ乗り切れず。スリラーが終わる。再び大歓声の中、次の曲が始まる。更に踊る。徐々に一体感が広がる。年配のヨーロピアンが混じりだしたあたりから日本人も混じり出す。3曲目が始まる頃にはダンサーが盛り上げなくても場が持つくらいに暖まる。

そしてミッションコンプリート。

大団円。

ええ結婚式やった。




と言うわけで「FlashでBridalのイノベーションを!」みたいな事を言ってみたり考えてみたりしたけど、僕的エンドレスサマーヌードな報告になってしまった。すまない。

ただコンテンツのクオリティは、所謂”余興”の範囲ではなく”作品”と呼べるものになったと自負している。ここら辺の余興コンテンツのクオリティアップが今後のBridal2.0の核となることはほぼ間違いない。

web2.0の概念がAjaxやFlashなど技術的レイヤーに存在していない事と同様に、Bridal2.0もFlashという技術にとらわれるモノではない。重要なのは、ユーザーとのコミュニケーションと双方向的な創造性だ。

やや強引な結論だけど、そんな次第です。

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