『Gracia~ガラシャ~ 』観劇メモ

連休最終日は臀部の痛みに耐えて演劇を鑑賞。

Gracia~ガラシャ~
http://3quarter.com/gracia/gracia.jpg

端的に申し上げて非常に良かった。臀部の痛みを補ってあまりある内容だった。

小学生からの友人が出演しているので観に行った訳だが、映画は観れど演劇は不慣れ。最後に観劇したのは一体いつだったか。そう、おそらく5,6年前に長男(&保育園のお友達わんさか)と観たオズの魔法使い以来である。

そんな演劇不毛地帯ことkappa-labであるが、友人への感謝もこめて感想をメモ。

その一、テンポ
まず開演早々、そのテンポの良さに驚くこととなった。台詞のスピード、役者の振る舞い、場面転換、全てがスピーディーに転回する。特に場面転換に関しては非常にサクサクと切り替わる。Twitterの纏めを読んでいるかの様に、適切に情報を分離させ繋げて行く。この瞬間「あ、これなら最後まで多分飽きないわ」と思う事が出来た。最近の演劇のトレンドなのかもしれないが、観劇素人にとっては非常に親切設計。


その二、ストーリー
本作は安土桃山から関ヶ原に至る戦国時代の現代劇版だが、登場人物の史実上のウンチクをしらなくても楽しめる。また、この手のアレンジでは常套手段となる、各国の企業化もよくハマっていた。アレンジついでに言及しておくと、宣教師がこれまたオイシイ感じだった。あの辺の笑わせポイントはもっと盛り込んでも良かったんじゃないかな。祝賀会(?)で社交ダンス踊る所とかもアイデアは好きなのでもっと活かしてほしいポイントだった。


その三、信長
信長は本作において主人公じゃないんだけど、信長役を失敗すると大コケしますよね。そういう意味では、これはバッチリ。非常に優秀な悪役に演じておられました。辣腕で清濁併せ呑むタイプ。彼なりの理念や信念があるようだけど手段は選ばず時に残酷。そして周りは付いて行けない、みたいな。多くの人が抱いているであろう信長象を再現されていました。

ちなみに女性秘書の森蘭丸(可愛い)が信長と愛人関係なんだけど、ボディタッチが割とあって(つっても肩組むとか、胸元に手紙差し込むとか)、その瞬間僕の中のDTが発動しちゃいまして「え、そんな近くていいの」みたいな。あとネタバレだけど信長によるケシカラン場面とかもあって、その瞬間僕の(以下略


その四、石田ミツナリ
はい、お待たせしました。我が友、ミツナリ。信長は前述したようにバッチリでしたが、ミツナリもバッチリでした。まず彼をミツナリにキャスティングしたスタッフを讃えたい。こういう「信長ほどの大悪党じゃないんだけど、裏でコソコソ工作する面倒臭い中悪党」は彼しかいないでしょう。中学生の頃から小太りだった彼ですが、「やっぱ中悪党は小太りだよね」の定理に則った抜群のプロポーションは健在でした。欲を言えばもう少し嫌らしさをコネクリ回してもいいかも。ひょっとすると一般の石田三成の印象とは若干異なるかも知れないが、本作でのミツナリは非常に作品にフィットしていたし、彼の演技(体型は演技じゃないんだぜ!)も同様だった。


まとめ
というわけで、非常に悪党達の出来のいい作品でした。そういう意味では主人公達、明智ミツヒデとタマ、ヒデキヨ達は善人ではあるが非力すぎた気が...。もちろん、本作の終わりかたが悪い訳ではないので好みの問題ですが。あえて個人的な好みを申し上げるなら、「善人でも良いんだけど、最後に悪党達を一泡吹かせてやれれば違うカタルシスが生まれたんじゃないかな」ってところ。

そんな訳で、終わって気付くと2時間半の舞台。あっと言う間だった気がします。ちなみにお尻が痛かったのは、椅子っていうか、箱&座布団が固かったから。いつか彼がフカフカのシートが完備された劇場で公演するのを楽しみにしつつ感想とさせていただきます。

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